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「おはようございますうひょん」
朝。居間に入るなりそんなことを言ったのは──カレンだった。
「…………は?」
顔をしかめる凛に、カレンもまた無表情のまま首をかしげる。
「……いえ、なにかうひょ?」
「えーと、まあいいや」
何かあきらめきったような眼差しでそっと視線を逸らす士郎。
「ぅひょんっ」
呟きがもれる。周囲の視線を浴びながらもカレンは平然と席に着く。
「えーと、カレンさん?」
恐る恐る尋ねる士郎に、カレンはわずかに眉をしかめて、
「ですから、なにか? うひょん」
「いや、なにさそれ。」
「…………」
カレンは口をつぐみ、しばらく視線を宙へと彷徨わせた後──
「……どうやら霊障のようですねうひょん」
「え、霊障ってそういうもんなの……?」
「うひょ?」
きょとんと瞬きをするカレン。半眼で士郎は唸る。
「や、しゃべれ。」
「そうひょん──」
顎に手を当て、真剣な眼差しで考え込むカレン。が、突如『はっ!』と顔をあげると、わたわたと手を振って、
「……ち、違います、今のは『そう』と言おうとしたところに霊障と重なったのであってですねうひょん?」
「いやそこは気になるんだ?」
呻く士郎に、カレンは恥ずかしそうに頬をぽっと染める。が、すぐに眉を下げると、
「……しかしこれは困りましたねうひょん」
凛はへらへらと笑いながら気楽に告げる。
「そう? いいじゃないキャラ立って」
「それもそうですねうひょ」
カレンはあっさり頷いた。
「納得したし!?」
がびーんと叫ぶ士郎の横で、桜が苦笑しながら、
「でもこれ、本当にどうやったら治るんでしょうね……」
──と、その言葉を唐突に遮り、カレンが突如として視線を鋭くする。
「む、ちょっと待ってください──?」
その後には当然のように、うひょんっ、と続くわけだが。
カレンは『きっ』と士郎を見つめると、
「……士郎。少しいいですかうひょん?」
「え? ああ。で、なんだ、どうしたんだカレン──?」
「いえ」
うひょん、とカレンは手をさっと振ってから、真っ直ぐに士郎を見据えて、
「……この、そうにょうひょん」
「それがやりたかったんかい。」「てゆーか途中で読めたわよ。」「死ねばいいのに。」
言いつつ、各自が一斉に手に持っていたスリッパで突っ込んで──
完。