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「はーははは! と・言うわけでなにげに初登場だぞ皆の衆待たせたな!」
と叫んで衛宮邸の居間へと三回転半ひねりジャンプなど決めつつ飛び込んできたのは、ギルガメッシュ(私服バージョン)だった。
「ガンド」
「あぐっ!?」
そしてすかさず、凛の放ったガンドを喰らい、吹き飛ばされた。
が、ギルガメッシュはそれでもなおくじけずに立ち上がると、ぐぐっと拳を握って、
「貴様なにをするっ!?」
「いや、うざいし」
凛はあっさりと告げた。その横では桜とセイバーがうんうんと頷いている。
現在居間にいるのはこの三人だけだった。
「王に向かってうざいだとう!?」
「あーもーその口調がうざい。うざすぎ。いますぐ国に帰ってぱたこん布でも織ってなさい100円あげるから」
居間のテレビから目を放すことなく、ぺいんと百円玉を放り投げる。
「いらんわ!」
それを叩き落としつつ、ギルガメッシュは詰め寄った。ずびしと指を突きつけつつ、唾を撒き散らす勢いで叫ぶ。
「大体なんなのだ! 出番がないにも程がある!」
「しらねーわよ」
ずずず、とアイスティーをすすり、あくまでも凛は適当に言い放つ。が、ギルガメッシュはそんな様子に気づくこともなく、自分に酔うかのようにくねりと体を捻るとなにやら喚きだした。
「こんなにも我は出る気まんまんだというのに! そこの女狐など色々出てると言うのに! なんなのだこの差はっ!?」
「萌え……じゃないでしょうか」
恐る恐る提案したのは、桜だった。
「ふっ──」
ギルガメシュは髪をかきあげると、あざ笑うかのように口を歪めつつ腰に手を当て高らかに宣言した。
「愚問だな腹黒娘! 王たる我にその程度のことなど造作もないわ!」
「腹黒………………ふふ……」
暗く笑いつつ桜がずぞぞと黒く染まっていくのだが、ギルガメッシュは気にした様子もなく、
「と言うわけで、王の財宝―!」
刹那、ギルガメッシュの背後の空間に無数の波紋が浮かび上がる──!
そしてぐるりと体をねじり、びしりと指を突き立て、斜め上の方向を見つめてギルガメッシュは告げた。
「説明しよう! キングな我はここに色々なモノを入れてあるので重かったりかさばったりすることなく瞬時にとりだせるのだッ!」
再び凛へと向き直る。
そして彼は捻れた空間の中に手を突っ込み、それを一気に引き抜きつつ、高らかに宣言する──
「と・言うわけで、へんーっ、しん! とうッ!」
言って、ギルガメッシュは跳躍する──
──ズダンっ!
机の上に飛び降りたギルダメッシュは、メイド服に身を包んでいた。
「参上、萌え我!」
言い切るギルガメッシュを、底冷えする視線で眺めつつ、セイバーが半眼でぼそりと呟く──
「死ねばいいのに。」
完。